恋愛映画でお馴染みのキス、映画史上初のキスシーンは?
現在では恋愛映画に欠かせない存在となっているキスシーンですが、映画史上で初めてスクリーンにキスが映し出された作品をご存じでしょうか。
その作品として知られているのが、1896年に公開された短編映画『M・アーウィンとJ・C・ライスの接吻』です。舞台劇『ジョーンズ未亡人』の一場面を映像化した作品でした。
上映時間はわずか20秒ほど。俳優のメイ・アーウィンとジョン・ライスが会話を交わしたあと、最後にキスをするという非常にシンプルな内容です。
しかし、等身大以上の大きさでスクリーンに映し出された男女の口づけは、当時の観客に言葉にできないほどの衝撃を与えました。
現代の私たちから見ればごく自然な描写ですが、19世紀末の映画黎明期においては「公の場で男女が口づけをする」という表現自体がかなり刺激的だったようです。一部の批評家からは「下品で不謹慎だ」と激しい批判の声まで上がりました。
それでも『M・アーウィンとJ・C・ライスの接吻』は話題作となり、映画という新しい娯楽の可能性を広げた作品として、映画史にその名を残しています。今では当たり前になった映画表現も、当時は大きな挑戦だったのかもしれません。